産業廃棄物の種類の記載がない委託契約書

委託契約書には必ず「金属くず」や「廃プラスチック類」などの具体的な産業廃棄物の種類は必ず記入するようにします。空欄のまま委託契約を結ぶと単なる記入漏れでは済まない場合が生じてきます。

 万が一委託した業者が不法投棄をした場合は、真っ先に行政や警察から調査をさsれるのは委託契約書とマニュフェストです。委託契約書に具体的な種類が記載されていないと、「不法投棄まがいの違法な処理を委託した」とか、「排出事業者責任をなおざりにしていた」という認識を行政からもたれてしまいます。その結果「違法な取引をしていた。」という前提で調査が進められ、排出事業者の責任が問われ、大きな問題に発展すれば会社の存続にかかわる可能性も出てきます。

 このように、記載が放置される背景には「後々委託する産業廃棄物の種類が増えた場合でも、柔軟に契約を変更できるようにしたい」という動機があるようですが、面倒でもこのような状況に追い込まれないためには、産業廃棄物の種類はしっかり記載をして、変更があったときには契約書を結び直すか、覚書き等で変更をする必要があります。

 

産業廃棄物の委託数量の未記載

 契約時に委託数量の詳細が分からないという理由で、数量の欄が空白なままの契約書をよく見かけます。委託数量はあくまでも予定数量なので正確無比な数量を書く必要はありません。しかし、だからといって現実と大幅にかい離した過大な数量を記入するのも危険です。処分業者は許可で認められた処分能力までしか処分できないのでその数量を超える契約は違法な契約になってしまいます。逆に過小の数量も違反になってしまう可能性があります。

 では、どうしたらよいでしょうか。まずは処分業者の処理能力を確認の上自社が排出する可能性のある産廃の量を鑑みて適切な数量にする必要があります。

 また、これら一連の「契約書の再締結」「覚書の締結」「数量の記載」は後の回で書きます印紙の問題にも影響がでてきますので慎重に判断して契約を締結してください。